特攻!MISTERY−SPOTS.



花摘み

投稿者  sera 様



季節は今頃だったでしょうか?

もっと早かったかもしれません。


私の家の前には市で管理している子供達の遊び場があり、

その三分の一程は、ポプラの樹と地面にはクローバーや、

レンゲ、すみれなど、野生の草花が豊かに茂っておりました。

私たちは、学校から帰ったら、そこで花を摘み、遊ぶのが日課でした。
 
その日も、おのおの花を摘むのに夢中で私はクローバーの花を編んでいました。


ふと、どこからか「
ドンドン」と太鼓をたたいている音に気づき顔をあげると、

広場の囲いの外側を白装束のお年寄りが列を成して歩いていました。

20〜30人はいたでしょうか。

先頭の人が太鼓を叩き、その後ろの人達は、お経を唱えてました。


「あっ、修行者さんだ・・・」別に誰かに聞いた訳ではないけど、そう思いました。

わっ!」私は思わず声をあげました。

その白装束の人達は、一斉に私たちの方に向きをかえ、ものすごい大きな声で、

お経を唱えはじめたのでした。

私の声にビックリしたお友達が「どうしたん?」と声を掛けてくれたのですが、

あまりの怖さに、その人達に向かって指をさすのが精一杯でした。


が・・・


「なに?なにがあんの?」

「えっ?ほら、修行者さんたちが、いっぱいこっちむいてる・・・」

「・・・どこ?誰もいないよ。SERAちゃん、怖いこと言わんといてよ」
 

私は、その後、この団体さんを2度見ました。

そして、私はお友達に「うそつき」と呼ばれ、

母から、人に言ってはいけないことを学びました。



TOPへ戻る   怪談奇譚へ戻る