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怖 い 夜





投稿者 Coo 様





私の故郷○○郡○○村では、1年に一晩だけ怖い夜があります。

それは8月15日の日没から翌朝の日の出まで、家中の施錠をして

盆の入りに○○神社から配られる御札を玄関に内側から貼ります。

当番と消防団の男衆以外、
「何があっても外へ出てはならない」と言うものです。

もちろん御札も太陽が出るまでは剥いだらダメです。


なぜ外に出たらダメなのか、小さい頃からの習わしだったので、疑問はありませんでした。

外に出たらダメな理由は○○村には、あの世とこの世を繋ぐ大池があり

盆が終わると水位が上がり洞穴が塞がります。15日の夜は魑魅魍魎・百鬼夜行

洞穴に戻る時に女・子供を連れて行くので絶対に外に出たらダメなのです。



中学生の時、幼馴染のSちゃんが怖い夜に抜け出して

夜遊び(大池に百鬼夜行を見に行く)に行きました。

私も一緒に誘われましたが、断りました。



夜、寝ていると窓がガタガタ音を立てている音で目が覚めました。

窓を見ると知らない大勢の人とSちゃんがいますが、

私の部屋は2階で外には足場はありません。

宙に浮いていると言う事になります。

その顔は びしょぬれで、うなだれていて、生気がありませんでした。

私がSちゃんに近づこうと起き上がって窓に近づいたら消えました。

そしてすぐに意識が無くなりました。



早朝お母さんから起こされて、Sちゃんが池の洞穴近くの湖面で

水死体で発見されたと聞かされて、昨日の話をお母さんにしました。

お母さんは、もう一つの話をしてくれました。


元々この土地は雨が少なく雨乞いのために

水神様に若い女性の人身御供をしていた時代があったそうです。

ひいおばあちゃんの代から(明治初期時代)と思いますが

女性の代わりに人形を大池に入れて祀っていたそうです。

でも何年かに1度必ず犠牲者が出ています。


Sちゃんは人身御供で連れて行かれたのでしょうか?





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